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鄭問さんの記念展、故宮で開幕 蔡総統「台湾漫画史上最も重要な日」

(台北 15日 中央社)昨年死去した漫画家の鄭問さんを記念した展覧会「千年一問 鄭問故宮大展」が16日から始まるのを前に、会場の国立故宮博物院(台北市)で15日、開幕式が行われた。式典には蔡英文総統のほか、国内外の漫画家200人余りが出席。蔡総統は、この日は台湾の漫画史上最も重要な一日だとし、「鄭問先生にまつわる物語と貢献についてはあえて多く紹介する必要はありません。世界各地の漫画家が来場してくれたことこそが最高の証明です」と鄭さんに敬意を表した。 

鄭さんは1990年、春秋戦国時代の英雄たちを描く「東周英雄伝」で日本デビュー。東洋的な水墨画と西洋絵画の技法を融合させた独特のタッチで人気を集め、翌1991年には外国人として初めて日本漫画家協会賞の優秀賞を獲得した。だが昨年3月、心筋梗塞のため、58歳で亡くなった。故宮博物院で漫画家を扱った展覧会が開催されるのは初めて。 

漫画やアニメーション産業の振興に力を入れる方針を打ち出している蔡総統。昨年9月には、創作環境の整備や作品発表ルートの多元化、ACG(アニメ・漫画・ゲーム)産業の育成強化など6つの政策を発表した。 

蔡総統はあいさつで、台湾の歴史や民俗、生態などを題材にした漫画を集めた「CCC創作集」の復刊や、漫画やアニメに特化した文化スペース「華陰街漫画基地」(台北市)が間もなくオープンすることなどに言及。「漫画産業の成長が私の願い」だとし、「漫画の実力こそが台湾の世界進出を後押しできる文化パワーであるとみなさんに信じてもらえるようにします」と力を込めた。 

同展では、鄭さんの漫画やイラストの原稿、キャラクター原案、手書きのシナリオなど約250点が展示される。9月17日まで。 

(江佩凌/編集:名切千絵)

 

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